配管について

「配管の種類」「給水装置の標準配管」などのよくある質問をQ&A方式でお答えしております。
こちらに掲載されていない疑問点やさらに詳しい情報が必要な場合は、ページ内の「お問い合わせフォーム」よりお気軽にお問い合わせください。



配管の種類

Q 1
配管の種類について教えてください

国内で使用されている埋設用の給水管は金属管、樹脂管に分かれますが、そのうち、3種類を選定して説明します。

①水道用ポリエチレン1種二層管
軽量で柔軟性があり、現場での生曲げ加工が可能です。また低温での柔軟性に優れ、耐寒性もあります。耐候性のある外層(黒)と耐塩素性の内層(白)の二層構造になっています。

②ステンレス鋼鋼管、波状ステンレス鋼管
薄肉ですが強度的に優れ、耐食性もあり軽量で取り扱いが容易です。波状ステンレス鋼管は、波状部で任意の角度を形成でき、継手が少ない配管が可能です。

③塩化ビニル管(硬質、耐衝撃性、耐熱)
耐食性、耐電性に優れ、他の樹脂管と比べると引張降伏強さが比較的大きいです。

表1

当協会で調査した給水管の割合は表1となり、水道用ポリエチレン1種二層管(表ではPE1種二層管)、波状ステンレス鋼管(表ではSUS波状管)が多数を占めています。



給水装置の標準配管

Q 2
給水装置の標準配管について教えてください。

給水装置は、災害時における復旧を迅速かつ適切に行うことができるように、水道事業者がその構造及び材質などを指定する場合があります。
そのため、標準配管も各水道事業者の仕様書で指定していることが多いです。
一例として東京都水道局の標準配管を以下に示します。

東京都水道局 給水装置設計・施工基準(給水装置編)

出展:東京都水道局 給水装置設計・施工基準(給水装置編)



給水配管の耐震性

Q 3
給水配管の耐震性について教えてください

過去の大地震では、給水管部に多くの被害が発生しており、大地震の際の給水障害の要因の一つとなっています。そこで地震時にも安定して給水を継続するため、厚生労働省健康局水道課(当時)から平成27年6月に発表された「水道の耐震化計画等策定指針」では、給水装置の耐震化に触れられ、より耐震性の高いものへの更新が推奨されています。
一方で、「水道施設耐震工法指針」では、給水装置のレベル2地震動*に対する耐震性の考え方は明確に定められておらず、給水装置の耐震化は各事業体の判断に委ねられています。

給水システム協会では、給水配管で広く使われている水道用ポリエチレン管用金属継手や水道用フレキシブル継手について、レベル2地震動を想定した耐震性能強化型規格として、WSA B011、B012、B013、B015を制定しています。

また(公財)給水工事技術振興財団と共同で、令和3年度に学識者、事業体、関連団体の参加のもとで、配水管から分岐するサドル付分水栓及び給水配管、継手等からなる給水配管の耐震性能の評価を行い、報告書にまとめています。

規格書、報告書は当HPに掲載しています。

*レベル2地震動
「レベル2地震動」は、その構造物が受けるであろう最強と考えられる地震動。想定しうる範囲内で、最大規模の地震を指す。
相当する震度は、一律に定められないが、「水道施設耐震工法指針2009:Ⅰ総論P39表-2.4.2」では、震度6強から震度7が示されている。



ウォーターハンマーとは

Q 4
ウォーターハンマー現象とは何ですか?

ウォーターハンマー現象とは、水撃作用(すいげきさよう)ともいい、水圧管内の水流を急に締め切ったときに、水の慣性で管内に衝撃と高水圧が発生する現象です。
弁の急な閉鎖やポンプの急停止といった急激な変化によって生じます。

この現象が起こると配管の騒音が発生したり、管の寿命を縮め、破損の要因となるため、防止策としては、急激な締め切り動作を行わないようにする、水栓のコマを節水コマに交換する、水撃防止装置を取り付けることなどが有効です。